母のこと 転移性肺がん

4/17(月)M先生のこと

投稿日:2017年4月19日 更新日:

今日は土砂降りでした。

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窓が大きく取ってあり、デッキへ出られるようになっていますし、母のベッドからも外の景色がよく見えます。

晴れている日は、ツグミやセキレイがすぐそこまでやってきて、うるさいくらいに鳴くので、母の目も覚めてしまいますが(苦笑)

気持ちの良い風もよく入って、今の季節は本当に心地良いです。
そういう季節や自然を少しでも感じられるような工夫が、このホスピスにはされています。

私はというと図書室で本を借りてきて母のベッドのそばでずっと本を読んでいました。

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土本さんの「ふつうの生、ふつうの死」はとても面白かった。ホスピスの話しなんですが、スタッフの方や患者さん、そしてその家族の方たちのインタビューが上手に組み込まれていて、独りよがりになっていないところがよかったです。

実在する、緩和ケア病棟「花の谷」のことが書かれているのですが、母が滞在しているここ(ホスピス)は、この「花の谷」がベースになっているのではないかと思いました。

建物のつくりや、置いてある家具、患者の家族への対応や向き合い方、患者への接し方、経営理念まで、よく似ていました。

緩和ケア病棟は患者のQOLを上げるところ

一般的に「ホスピス」というと、末期ガンでもう後は死を迎えるだけの人が最期に行く場所のように思われていて、私もそう思っていたのですが、実際には違います。

ホスピスには「死」を待っている人なんていません。

だから、主治医やスタッフもそのように患者に対して接します。
すべてのスタッフの方がそうではありませんが、普通に、感情的にならず、患者と対等な関係を保つように努力されているのが分かります。言葉の1つ1つ、表情、母の話に耳を傾けるときの目線や姿勢には、たくさんの学びがあります。

副医院長のM先生に、
「どうしてここのスタッフの方々は、皆さん素晴らしい方ばかりなのですか?」
と伺ったら、M先生は一呼吸おいてから、
「どん底を経験しているからです。そうでないとここでの仕事はできません」
と、言われました。

M先生ご自身も、ガンを経験され、抗がん剤治療の辛さを嫌というほど知っておられます。東京の大きな病院で外科医をされていたと聞いたので、どうしてここに来たのか伺うと、
「外科医の仕事が嫌になったんです」と。
患者さんの顔も名前も覚えている暇がないくらい多忙で、「自分はここで一体何をやっているんだろう」と思われたそうです。
「そんなときに、ガンになり、病院のベッドの上でウンウン唸っている頃、このホスピスが建てられました」
そして、縁あって副医院として話をいただき、外科医を辞めてホスピスに入ったそうです。
前任の副医院長から
「M先生、ここに来られた方は全員亡くなりますよ……。」と言われたそうですが、M先生は少しも驚かなかったと。
だって人はみんな死ぬんですから。
「ただそれが、病気かそうでないか、遅いか早いかだけの違いです。だから私はそれを聞いてもショックではなかったですし、驚きもしませんでした」

ただ……、とほんの少しだけ間を置いて、
「痛みを取ってあげることはできても、治らない(治してあげられない)という現実に耐えられなくなって辞めていく人もいます」と言われました。

私はそれを聞いて安心しました。
流れ作業のように仕事をこなしていく病院とは違い、ここには人間味があるなと感じたからです。

次回は、母が滞在しているホスピスについて書いていこうと思います。

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